かずきち。の日記

Pythonエンジニア&元東大生のつぶやき

「みんなの意見」は案外正しい

一握りの権力者の支配の終焉を謡い、きたるべき社会の多様性の底力を見せつけられる本。

決して賢者ではない群衆の知恵、すわわち集合知がいかに強力なものなのかをいろんなエピソードを交えながら解説してくれる。

顕著たる例はクイズミリオネアのオーデイエンスであろう。

だからといって、必ずしもこの世のすべてにおいて集合知が正しいのかというとそれは誤りである。


「みんなの意見」は案外正しい

「みんなの意見」は案外正しい


この本の中の一節の「市場」が面白かった。

集合知とはあまり関係ないけれど、空売りについての記述がある。

1995年マレーシアの財務省はある罪を犯した者に鞭打ちの形がふさわしいと提案した。

それは株式市場で空売りをした者であった。

なぜだろうと不思議に思う。

今では日常的でそんな大罪とは言い難いが、昔は冷酷無比な行為だったようだ。

ほとんどの投資家は株価の上昇を期待して、株を購入するが…

空売りをする投資家は株価の下落を期待する。

言い換えれば、災厄が起こることを予言し、人の不幸を喜ぶようなものと考えられていたようだ。

1929年の世界大恐慌では空売りが不況の原因だと批判されたらしい。

連邦議会公聴会空売りをした投資家の極悪非道っぷりを暴こうとしたこともあったらしい。

むしろ大暴落をもたらした真犯人は株価の高騰を望む投資家であったという始末であった。

全然大した話ではないけれど、それだけ。


実際の投資家は合理的なエージェントではなく、行動経済学的にいえば市場は常に欠陥を抱えている。

だが、投資家個人が合理的でないにしても、個々人の判断の集団的な判断が合理的で賢いことはありえなくはない。

たとえば、自信過剰という要素があったとしても問題はそれが市場に構造的に歪むかどうかであるが…

人々に意見にバイアスを与えるような要因がなければよい。

結局、みんなの意見は案外正しいのである。

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