EuroITV 2010 8th European Conference on Interactive TV and Videoに参加してきました。
場所はTampare, Finland。
成田空港からHelsinkiまで飛行機でおよそ10時間20分、そしてさらにバスで2時間の町。
森と町が融合した町で、いつムーミンが出てきても不思議ではないところでした。
時間はゆっくりながれ、ふと行き急ぐことがバカらしく思えるほど長閑で癒されました。
そんな遠い異国で生まれて初めての英語の学会に出てきました。
テレビの話をひたすら英語を聞きすぎて、頭が痛くなりそうでした。
推薦、広告、3Dテレビ、P2P、クロスメディア、マーケティング、ビジネスモデル、ソーシャルタギング、etc...
朝から晩までテレビの話でした。
Ph.Dホルダーや企業の人が多く、限りなく最年少だったと思います。
そしてコンピュータサイエンスの人が多いわけでもなく、メディアやジャーナリズムの研究者も多く参加していたと思います。
ちなみにFinlandでは人気の研究分野はメディア系らしいです。
Finlandの楽しい話はまた今度書きます。
こちらが投稿した論文です。
https://scholar.google.co.jp/citations?user=q3HuOlIAAAAJ&hl=ja
EuroITV2010のウェブサイトはこれ。
ちなみにITVの"I"は"Interactive"の"I"です。
とにかくたくさんの発表を聞いて、お腹がいっぱいなので‥
詳しく知りたい人はACMなどで論文を探してみてくださいw
そしてEuroITV2011は‥
where.."Lisbon,Portugal"
when..."30 June & 1 July"
what..."Ubiquitous TV"
で開催されるようです。
感じたことはいろいろありましたが、箇条書きで思ったことをとどめておくと‥
- 日本でも世界でもテレビはウェブの脅威に脅かされている
- facebookと連携したテレビのサービスが模索され、facebookの1人勝ちを痛感する
- 各視聴者にターゲットを絞ったパーソナライズされたテレビ広告に関心が高まっている
- 広告の費用対効果の測定が課題である
- Finlandではテレビや新聞の職業が大人気である
- 協調フィルタリングを用いた推薦手法はやはり主流らしい
- 日本のワンセグは世界でも画期的に進んでいると思ったが、Nokiaの携帯も高機能である
- テレビのカテゴライズ、ソーシャルタギングは面白い
- 検索エンジンと異なり、適合率、再現率はそんなに高い値が得られない
- 女性の研究者が妙に多く、しかもPh.Dホルダーで美人が多い
- 自分でテレビのレイアウトを変更できるガジェット的なものがある
- 街をレーザースキャナで3D化したもの世界がすごかった
- 健康状態のレコーダからテレビ番組を推薦する発想が斬新すぎる
- iPhoneユーザが思いのほか少ない
- 3Dテレビは日本の方がすごい気がする
- 理系の研究者は夢を追いかけて、本気で話しているときは笑顔が素敵すぎる
- 結局のところテレビは文化であり、日本においては学問と実際の仕事がかけ離れている
さてと、自分の発表ですが‥
45分1本勝負でまさに行き殺し状態だったと思います。
一度、先生に見本を見せてもらったので、意外となんとかなりました。
いやなんとかなってないと思います。
もっと英語を勉強して精進しなさいということでした。
でも自分の発表に興味を持ってもらえるとちょっぴり嬉しいです。
それにしてもアルゴリズムの精度などについてはまったく突っ込まれませんでした。
参加者の中にコンピュータサイエンスの人が少ないからだと思います。
英語のプレゼンテーションのコツとかの本でも買っておけばよかったと思います。
説明しましょうか?
May I explain?
質問はございますか?
Do you have any questions?
答えた後に他に質問は?
Any more questions?
お礼を言うときは
Thank you for taking your time.
貴重な情報を教えてもらえたりして特にお礼をいう状況になったときは
Thank you very much. I appreciate it.
こんな具合で決まり文句があるみたいです。
Workshops - Wed., 9th June 2010, 13:30-17:00
"Future Television: Integrating the Social and Semantic Web"に参加しました。
どのようにセマンティックウェブやテレビの技術と統合するか。
どのような新しい革新的なサービスの種類はが生まれるのか。
どこに再利用可能なデータや、利用可能なデータが存在するのか。
どこにデータが生成される可能性があるのか。
どのような具体的な手順でテレビ業界の技術の取り込みは成功するのか。
そんなことが話されていたと思います。
NotubeやGoogleTVのITVはテレビ番組もコマーシャルもパーソナライズされた世界を目指しているようです。
TVの番組表データはxml形式で書き出すべきだとか、open linked dataはIMDB, iPlayer, blebを使った方がいいだとか、PS3やWiiが次世代のSTB(Set Top Box)になるかもだとか。
テレビと視聴者の関係に対する多様な価値観を感じることができたと思います。
Keynote - Thur., 10th June 2010, 09:30-10:15
"Future Challenges for Broadcasters(Global Head, Media Consulting Siemens, UK)"の講演を聞きました。
消費者行動が劇的に変化し、ユビキタスによってメディア業界が変わろうとしているのは日本に限らずどの国でも同じようです。
テレビ番組を選ぶことは中華料理を選ぶかのように大変なことで、テレビ局というのは信頼された番組を放送するコンテンツアグリゲータの役割を担って行くことになるのかもしれません。
Session2 - Thur., 10th June 2010, 11:00-12:30
"ITV Applications for Communities"のセッションに参加しました。
"Mobile Video Sharing: Documentation Tools for Working Communities"
"Digital Archiving: User Inspired Digital Archiving of Cultural Heritage"
"Expert Search for Radio and Television: a Case Study amongst Dutch Broadcast Professionals"
"Troubleshooting and Creating Joined Experience: Festival Personnel Engaging in Mobile Video"
Session4 - Thur., 10th June 2010, 13:30-15:00
"Convergence and Cross-Media"のセッションに参加しました。
"Newstream: A Multi-Device, Cross-Medium, and Socially Aware Approach to News Content"
"Mashing up TV and the Web in the Mobile World"
"Generation of Cross-media Dynamic Learning Contexts from iTV"
"Interactive TV application design convergence across formats and devices"
Session5 - Thur., 10th June 2010, 16:00-17:30
"Personalization and Recommendation Systems"のセッションに参加しました。
"Time-Evolution of IPTV Recommender Systems"
"Recommending Content for ITV: What the Users Really Want?"
"Evaluating a Recommendation Application for Online Video"
"Exploring Synergies between Digital TV Recommender Systems and Electronic Health Records"
Keynote - Fri., 11th June 2010, 09:30-10:15
"Real-Time Context and Immersion Providing Uniquely new Mobile Experiences(Director, Nokia Research Center Tampere, Finland)"の講演を聞きました。
リアルタイムに対する意識はモバイルアプリケーションとサービスにまったく新しい次元を生み出したと思います。
ウェブの融合によっていつでもどこでもでリアルタイムの情報を有効にしています。
仮想現実と3Dレンダリング技術の融合が図られ、町をレーザスキャナで取り込んだデモムービーは圧巻でした。
次のGoogleストリートビューはもっと違う次元なのかもしれませんw
またビデオとテレビ電話のシンクロした機械は面白かったです♪
家族のためのサービスで物語が重要のようでした。
Session11 - Fri., 11th June 2010, 11:15-12:45
"Social Tagging and Recommendations"のセッションに参加しました。
"Social TV: Toward Content Navigation using Social Awareness"
"Third Screen Social Bookmarking for TV"
"Content-Based Tag Generation to Enable a Tag-Based Collaborative TV-Recommendation System"
"Determination of Categories for Tagging and Automated Classification of Film Scenes"
Session10 - Fri., 11th June 2010, 13:45-15:15
"Digital TV Systems - From 3D to Peer-To-Peer"のセッションに参加しました。
"DLNA Interworking for Virtualized Set-Top-Boxes"
"Peer to peer Mobile TV Recovery System"
"Improved Depth Field Estimation for Autostereoscopic 3D-TV based on Graph-Cuts"
"Incorporating 3D Technologies to the Brazilian DTV Standard: Integration Strategies and Proposed Architecture"
国際学会のための英語の本たち。
買ってないけど、こんなのがあるらしかったですw
これから行く人はきっと買うといいです。
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