越境Payという言葉がある
バーコード決済の黎明期ではPayPayを初めて使った人は30%還元などが行われていた。
しかし最近は消費喚起を促すつもりで、各地方自治体がPayPay残高で還元をしてくれるキャンペーンが頻繁に行われている。
例えば中野区のバーコード決済のキャッシュバックの原資といえば、中野区の地方税が還元に充てがわれている。
地域商品券の場合は住民票がその地区町村になければ、地域商品券を購入できないため不正を防げた。
しかし今はキャッシュバックキャンペーンが行われている地方自治体にわざわざ出向いて還元を受ける「越境Pay」という行為が問題視されている。
PayPayのホームページでは還元キャンペーンが行われている地方自治体がリアルタイムに告知されている
だいたいその手のキャンペーンは予算に達し限り終了と告知をしているのだが、
例えばA市で還元キャンペーンが行われていても、B市の市民が参加できるわけである。
自宅と会社の間に還元キャンペーンをやっている地方自治体があれば、そこの地方自治体で下車してお買い物をすという行為が横行している。
通勤定期券があれば、通勤経路の地方自治体の駅で下車することは容易である。
というわけでわざわざ交通費を払って、自宅から田舎に行くことはないが
通勤定期券圏内で、還元キャンペーンが行われていた場合にそこで途中下車する価値は大いにあるわけだ。
PayPayなどの主要バーコード決済はマイナンバーカードによる本人認証を行っているので、本籍地や住所を持っているはずなのに
別に自分の住んでいない・勤めていない市区町村でも還元を受けられるバグに国民の多くが気がついている。
地方自治体の消費喚起予算はそこの住民の住民税
ふるさと納税は本来納めるべき地方自治体の住民税が返礼品と引き換えに他の地方自治体にいくイベントだが…
実はこのバーコード決済の還元キャンペーンも他の地域の住民に搾取されている。
地域商品券は「その地域に住んでいること」「その地域に勤めていること」「その地域で学んでいること」などの要件が厳しいが、
バーコード決済はその手の規制がないのである。
バーコード決済は複数サービスを組み合わせて使うのが必須
私はPayPayしか使わないという人がいても良いのだが、
基本的に特定のバーコード決済に肩入れすると不公平が生じるので、PayPay、auPay、d払いなど複数の決済方法に対しても上限額が設定される。
例えばA区の還元キャンペーンに「30%還元5000円まで」と記載があった場合に、この5000円までという上限値は1つのバーコード決済に対してである。
なので、3種類のバーコード決済を使いこなせば、規定の上限値×3倍のお金を使えるバグが発生しているのだ。
これは「地方公共団体の〜Pay」を自前で作るのか?「PayPay/auPay/d払い」などのサードパーティーを認めるか議論が生じている。
自分が住んでいるところは自分たち独自のバーコード決済を行っている
住んでいる人の中にはまた税金使って変な〜Payを作って…という反対意見もあるだろう。
でもこの乱立する〜Payを作るのはそこに住んでいる住民からしたら自分たちが収めた住民税が住んでいる市区町村で使われているので理にかなっているのだ。
もちろん議会で
「うちの区はPayPayを導入しましょう」
「うちの区は自前のバーコード決済にしましょう」などの意見があったであろう。
すでに既存のバーコード決済を導入すれば、住民の使用ハードルは下がるが、
近隣の市区町村に住んでいる他の住民も参戦できてしまい、利便性はあるが、財源を失うことになる。
なにせA市のキャンペーンはA市の市民にしか使ってほしくないのに、となりの市に住んでいる市民が参戦できるから。
なので、「越境Pay」と揶揄されている。
逆に自前に「上野Pay」みたいなのを作ると今度は開発費がかかってしまう。
さすがにバーコード決済を使うためだけに海外から日本にやってくる人はいないが、
還元をうけるために隣の市区町村までおでかけする国民は大いに存在するわけである。
せっかくバーコード決済の本人認証でマイナンバーを導入したのに、居住地以外での越境Payを認めない仕様にしないのはなぜだろう?といいつも思う。
というわけで自分は全国の還元キャンペーンを一応ウォッチしていて、自分の通勤経路で還元キャンペーンが行われている場合は参戦しようと思っている。