
1時間で「太宰治」を召喚せよ――ブラウザ拡張機能爆速開発記
「メロスは激怒した。だが、現代のネット記事は退屈すぎる」。そんな虚無感を抱いた私は、ウェブページを太宰治風の文体に変換するChrome拡張機能『太宰の小窓』を、生成AIを相棒にわずか1時間で作り上げることにした。
開発の設計図
時間は敵だ。思考を最小化し、AIに実装を丸投げする。
マニフェスト作成(5分): manifest.jsonをGoogleGeminiに生成させ、必要な権限(ActiveTab)を定義。
ロジック実装(20分): コンテンツスクリプトでDOMからテキストを抽出し、AI APIへ送信する関数を構築。
プロンプト調整(20分): 「汝の文体は太宰治。憂鬱かつ諧謔に満ち、独自の感性でウェブの凡百な文章を文学へ昇華させよ」という命題をAIに叩き込む。
UI実装(15分): 変換ボタンを配置したシンプルなポップアップを作成。
生成AIとの対話
最大の難関はプロンプトだ。単に「太宰風に」と命じても、似て非なるものが返ってくる。
「読者の顔色を窺うような媚びた文章は不可。自意識過剰で、どこか諦念を含んだ、それでいて魂を揺さぶるような一文に書き換えよ」。
AIは即座に理解した。試しにニュースサイトの天気を読み込ませると、画面にはこう表示された。
「空は灰色に澱み、雨が降りそうな予感だけが、私の心に鉛のような重苦しさを強いている。ああ、傘を忘れた私は、結局のところ、雨に濡れる運命なのだ」。
悪くない。むしろ、切実なほどに美しい。
結び
開発開始から58分。拡張機能は完成した。世界は相変わらず凡庸だが、このボタンを押せば、私のブラウザ内だけは津軽の冬のような、冷たくも温かい文学が広がる。
技術は本来、こうあるべきだ。孤独な魂を救うためにこそ、コードは書かれるべきなのだから。さあ、皆もAIという名の魔法使いを使い、君だけの「文学」をブラウザに実装してはどうだろうか。
デモ
拡張機能をインストールの上任意のページにアクセスします。
例えば、Yahooニュースのページにしてみましょう。

任意のページを太宰治風に変換するためにChromeブラウザに先ほどインストールした「太宰の小窓拡張」押します。

こんな太宰治の横顔のアイコンがあるはずなので、クリックします。
表示されない方は拡張機能一覧からホームに固定してください。

今見ているウェブページを太宰治が上記の画像のように書き換えててくれます。
今後の課題
アプリは簡単に作成ができますが…
太宰治の人格・太宰治の文体に対する学習データが不足しています。
太宰治だったら、「太陽」ではなく「空の中央で我が物顔に居座る光の塊」
というようなデータセットもしくはAI学習資料をいただけますと、バージョンアップします。
ダウンロードはこちらから。
こちらの拡張機能はAPIを利用しており、課金が発生しますので今後自身のAPIキーをGoogleAIStudioから変更してもらう仕様変更を行う予定です。