かずきち。の日記

Pythonエンジニア&元東大生のつぶやき

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大学3年生から2年間勤めていたベンチャー企業の話をしたいと思います。


私が勤めていた企業はできたばかりの会社でろくにエンジニアがいませんでした。
エンジニアとウェブデザイナーが1人ずつしかいないようないわゆる弱小IT企業でした。
今思えばどうしてそんなところで働いていたのか疑問に思ってしまうかもしれません。
しかしそんな会社で働くことになったきっかけは社長の方に「一緒に働いて欲しい」と言われた些細なことでした。
同学年や下級生に頼られることはあっても、年上の社会人に真剣に頼られたことは初めてでした。
社会で働いたこともないような学生の私のことを必要としてくれたことが心から嬉しかったです。
大学の授業が忙しくフルコミットで働けないこと、プログラミングスキルにまだ自信がないことを伝えたにも関わらず採用してくれました。
プログラミングの世界には上には上がいて、下には下がいる世界であり、自分がどのポジションにいるのかわからず、技術力のみで勝負をしなければいけないシビアな世界だと思います。
そんな不安があるにも関わらず、学生の私に期待を抱き、働かせてくれたことに感謝しています。
必要としてくれている時が華だと思い、自分を必要としてくれる人には全力で尽くしてあげたいと思います。
だからこそ自信はないけれど全力で貢献したいと考えて働いていました。


そんなことがきっかけで働き始めました。
私は会社で大型商業施設に導入するためのメーリングマガジンシステムの開発を1人で従事していました。
具体的にはメールマガジン中における各店の記事の文字列の長さや配置をオークション制によって決定するシステムを開発し、特許の取得を考えていました。
しかし会社にはシステムを外注するお金も弁理士を雇うお金もなく全部自分一人で行う必要がありました。
私は大学の授業やグループワークが夜遅くまであったので、いつも終電が終わってからか休日に働いていました。
そして自分のやるべきことを終わらせるために朝までコーディングをし、再び大学に戻るという生活をしていました。
寝不足でつらかったこともありましたし、プログラムがうまく動作せずに苦しんだことは日常茶飯事でした。
そんな深夜のオフィスで1人で働いている時に社長は私のために一緒にオフィスに残って仕事をしてくれました。
社長はまったくプログラミングがわからない人で技術的な手助けはしてくれませんでしたが、そばにいて励ましてくれました。
何度も「申し訳ないので帰ってもらって大丈夫です」と言っても、「社員が働いているのに自分が休むわけにはいかない」と言って一緒に働いてくれるその熱意に感謝して、ますます頑張らなければいけないと思いました。
息抜きに深夜にファミレスやラーメン屋に連れてってもらい、ご馳走してもらったことも覚えています。
いつの間にかそばにいてくれて、いろいろな話を聞いてもらえることが心の支えになっていたのかもしれません。
そしてコーディングも大変だったことながら、出願書類の作成も苦労しました。
特許の出願書類の独特な書式がまったくわからず、社長と一緒に請求要綱の書き方などを勉強しました。
大企業であれば弁理士知財専門の社員に頼むところを全部自分でやるなんて信じられませんが、特許出願の本を読みあさって自力で書き上げました。
社長はもともと法学部出身だったので、文面は何度もチェックをしてくれました。
一緒に特許庁の窓口で提出した時は本当に感動しました。
審査請求をするのが楽しみです。


こうして私は大学院に入学するまでの2年間をこのベンチャー企業で働きました。
自力でコーディングを遂行する能力が付いたことはもちろんですが、何よりもどのようにして人の共感を得ながら働けるかを学ぶことができたと思います。
また企業にとっていかに人材が重要であるのかを学び、どうやって社員にモチベーションを与えることができるのかを知ることができたと思います。
そして普通の会社では決して味わうことのできない経験をさせてもらいました。
人の期待にされることはとても嬉しいですが、それと同時に責任の大きさを感じました。
波乱万丈でつらいことばかりでしたが、人間味あふれる素敵な会社でした。


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